2020年新型コロナウイルス流行の影響で、私たちの働き方は大きく変わりました。
かつて当たり前だった自宅と会社の行き来が、選択肢の1つとなり、「通勤しない働き方」が新たな選択肢として定着しつつあります。
そういった「通勤しない働き方」を呼称する際、リモートワーク・テレワーク・在宅勤務と様々な呼び方がありますが、これらの呼称は何がどう違うのでしょうか?
今回は、その違いについて説明していきます!
通勤しない働き方のメリット・デメリット
これらの働き方に共通している、働く側・雇う側のメリットは、
- 通勤時間の負担が減る、あるいは無くなるので、企業も通勤手当を節減できる
- 比較的自由に時間を使うことができるので、気分転換に運動したり、人目を気にせずお昼寝をしたり、合間に家事や子どもの送迎などの用事を済ませることができる
- 上記の理由で離職率が低下し、企業全体の生産性が向上する
といった点です。
通勤やイレギュラー対応へのストレスから解放され、他の用事とのバランスがとりやすいことで、1人1人の作業効率の向上も期待できる理想の働き方かもしれません。
一方で、デメリットもあります。
- 1人空間での業務がメインなのでコミュニケーションが不足しやすい
- すぐ近くに同僚がいれば簡単にできそうなちょっとした確認事項もチャットやメールで伝達する必要があるなど、連携がとりにくい
といった点です。
また、オンとオフの切り替えが難しいので、個人が工夫や意識をしたり、定期的にコミュニケーションをとる機会がが必要であるといえます。
リモートワーク
従業員がオフィスに出社することなく「リモート=遠隔」で業務を行うことを意味します。
会議など顔を合わせる必要がある場合も、インターネットを用いてテレビ会議・チャットワークなどで遠隔地にいながら参加することが可能となります。
リモートワークには4つの種類があります。
1.フルリモートワーク
主に正社員を対象とした、出社せずチャットツールなど用いてコミュニケーションをとりながら業務を進める働き方です。
2.ハイブリッドリモートワーク
日時や目的によっては出社してのオフィスワーク、それ以外はリモートワークといった働き方です。リモートワークによるコミュニケーション不足を補うねらいで採用している企業が多いです。
3.リモート・アウトソース
業務委託などの関係でオフィスに出社せず業務をすることを指します。正社員・契約社員ではなく、案件ごとに契約するフリーランスなどが該当します。
4.テンポラリー・リモートワーク
正社員ではないものの、企業と一定期間の契約を結び、育児などを理由として一時的にリモートで業務に参加する働き方です。
テレワーク
なんとなく「テレフォン」のテレワークと思われがちですが、実際は「tele=離れた所」と「work=働く」をあわせた造語です。
情報通信機器等を活用して、時間や場所の制約を受けずに働くことができる形態のことを指していて、リモートワークとほとんど同義です。
政府が主に用いている呼称はテレワークが多いので、やや公的な表現と言っていいかもしれません。
国土交通省の定義では「1週間に8時間以上、職場以外でICTを使って仕事をする人」をテレワーカーと呼び、日本テレワーク協会によると、テレワークは働く場所によって以下の3つに分類しています。
1.在宅勤務
自宅にいて、会社とはパソコンとインターネット、電話、ファックスなどの方法で連絡をとりながら行う働き方です。
2.モバイルワーク
顧客先や移動中に、パソコンやスマートフォンを使う働き方です。
3.サテライトオフィス
施設利用型とも呼ばれ、勤務先以外のオフィススペースでパソコンを利用した働き方です。
1社専用で社内LANがつながるスポットオフィス、専用サテライト、共同サテライト、レンタルオフィスなどの施設が利用されます。
都市企業は郊外に、地方企業は都心部に置くオフィスをサテライトオフィスと呼びます。
在宅勤務
テレワークの一種です。
育児や介護、本人の身体に障害があるなど通勤が困難であることを理由に働けなかった人、または雇用できなかった会社の課題を解消する働き方です。
リモートワーク、テレワーク、在宅勤務の違いって?
リモートワーク、テレワーク、在宅勤務の特徴について説明してきました。
ただ、いずれもオフィスから離れた場所で働くという共通点があり、大きな違いはありません。
一般的に「通勤しない働き方」を表現する方法としてどれを選んでも問題ないと考えて良いでしょう。